流鏑馬を習うには(初心者ガイド)

川越流鏑馬
Yabusame — How to Learn

流鏑馬を習うには

始め方と、
入門までの道のり

「やってみたい」と思ったとき、
どこで、何から始めればいいのか。

流鏑馬を習いたいと思っても、どこで習えるのか、何から始めればいいのかは、あまり知られていません。乗馬の経験がなければ無理なのか。弓道をやっていないと難しいのか。特別な人だけのものなのか——。この記事では、流鏑馬を習う方法の全体像と、入門までの実際の流れを整理してお伝えします。

Two Paths

流鏑馬を習う方法は、大きく二つ

流鏑馬を習う道は、大きく二つに分かれます。ひとつは流派や団体に入門し、続けて稽古を積む道。もうひとつは、一日だけの体験や講習会に参加する道です。

どちらが優れているという話ではありません。目的が違うだけです。

其の一 流派・団体に入門して
続けて稽古する
  • まず稽古を見学するところから始まる
  • 技だけでなく、作法と心構えから学ぶ
  • 馬の世話も稽古のうちに含まれる
  • 馬上で弓を引けるようになるまで、年単位
  • いつか射手として立ちたい人の道
其の二 体験・講習会に
一日だけ参加する
  • 一回限りの参加
  • その日のうちに馬と弓に触れられる
  • 装束を着けられる催しもある
  • 継続の道とは別のもの
  • まず雰囲気を知りたい人の道

続けたいのなら、
入門する道を選ぶ。

一日だけ触れてみたいのであれば、体験で十分です。倭式騎馬會でも流鏑馬体験をご用意しています。

ただ「習いたい」「続けたい」という気持ちが少しでもあるなら、体験を挟まず、はじめから入門を前提に稽古を見学されることをおすすめします。そのほうが、遠回りになりません。体験と稽古とでは、見えるものが違うからです。

Schools & Groups

どこで習えるのか ―― 流派と団体

流鏑馬は、ひとつの組織がまとめて管理しているものではありません。それぞれの流派・団体が、自らの伝えてきた作法と技を守りながら、稽古を重ねています。習うということは、どこかの流儀の中に身を置くということでもあります。

流鏑馬の流派として広く知られているのは、小笠原流と武田流です。いずれも鎌倉時代に遡る弓馬の家に由来し、今日まで受け継がれてきました。

小笠原流弓馬術礼法教場

礼法・弓術・弓馬術の三つを伝える流派。鶴岡八幡宮をはじめ、各地の神社で流鏑馬などの神事を奉仕しています。

公益社団法人 大日本弓馬会

武田流を継承する団体。関東を中心に流鏑馬の修練と公開演武を行っています。入門にあたっては、稽古の見学と審査があります。

このほかにも、各地の神社や保存会が、その土地に伝わる流鏑馬を守り続けています。

※ 各団体の稽古の日程・場所・入門の条件などは変わることがあります。詳しくは、それぞれの団体が公開している情報をご確認ください。

Kashima-ryu Umayumi

倭式騎馬會が受け継ぐ「鹿嶋流うまゆみ」

倭式騎馬會が受け継いでいるのは、鹿島神宮に伝わる鹿嶋流うまゆみです。

「うまゆみ」は、馬上から弓を射ることを指す古い言葉です。武家の作法として整えられた流鏑馬よりも古い形を今に伝えており、当会ではその復元と継承を修練の柱としています。毎年五月一日、鹿島神宮において鹿嶋流うまゆみの奉納神事を行っており、令和八年で二十一回目を数えます。

よくある誤解
「鹿嶋流」は流派の名であって、場所ではありません

鹿嶋流という名は、鹿島神宮との縁に由来する流派の名前です。稽古を行う教場は埼玉県滑川町にあります。鹿島神宮での奉納は、流派の縁による年に一度の行事であり、そこで日々稽古をしているわけではありません。

もうひとつ、当会には他とは異なる点があります。稽古で騎乗するのが、サラブレッドではなく日本在来馬(和駒)だということです。木曽馬や北海道和種など、日本に古くからいる馬たち。背は高くありませんが、体つきはどっしりとして、佇まいは穏やかです。かつての武士が乗っていたのも、こうした馬でした。国内に千五百頭ほどしか残っていない在来馬とともに稽古を積むことは、その保存に加わることでもあります。

For Beginners

未経験でも、流鏑馬は習えるのか

「運動神経が要りそう」「乗馬から始めないと無理では」「経験者だけの世界だろう」——そう思って足踏みされる方が、とても多くいらっしゃいます。結論からお伝えします。

稽古を始める人のほとんどが、
乗馬も弓道も未経験です。

入門される方の多くは、馬に触れたこともないところから始めています。一人での入門も、女性の入門も珍しくありません。いきなり馬を走らせるようなことはなく、まず馬に慣れ、馬の世話を覚え、地上で弓を引くところから、順を追って進みます。

  • 乗馬の経験がなくても始められる
  • 弓道の経験がなくても始められる
  • 一人での入門、女性の入門も歓迎
  • 年齢の上限は設けていない
  • 弓・馬具・安全装備は会で用意している

必要なのは、素質よりも続ける気持ちのほうです。馬は人の心を敏感に読み取ります。焦らず、馬と向き合う時間を重ねられるかどうか。そこがいちばん問われます。

Steps to Join

入門までの流れ

倭式騎馬會の場合、入門までは次のように進みます。他の団体でも、まず見学から始まる点はおおむね共通しています。

稽古を見学する

まずは教場へお越しいただき、稽古の様子をご覧いただきます。馬に触れ、会員と話し、指導者に直接質問していただけます。見学は無料で、随時受け付けています。ここで「自分に合うか」を確かめていただくことが目的です。

入門する

見学のうえでご希望があれば、入門の手続きに進みます。見学したからといって入門しなければならないことはありません。持ち帰ってお考えいただいて構いません。

稽古を重ねる

馬の性格や扱いを学びながら、騎乗の基礎を身につけていきます。並行して弓を学び、やがて馬上での所作へ進みます。稽古は土日祝が中心で、ご都合に合わせた参加が可能です。

射手として奉納に立つ

技と作法が整えば、射手として神社での奉納に加わります。個人差はありますが、おおむね一年から数年を目安にしていただいています。ここが、稽古を続ける先にある景色です。

入門料・月会費など費用の詳細は、稽古・入門案内のページにまとめています。

About Yabusame Society

倭式騎馬會 ―― 関東で流鏑馬を習うなら

倭式騎馬會は、鹿嶋流うまゆみを継承する和式騎馬術の団体です。一般社団法人武道振興会の事業部の一つとして、埼玉県滑川町の会員専用教場を拠点に稽古を重ね、鹿島神宮をはじめ各地の神社で流鏑馬を奉納しています。

教場へは関越自動車道・練馬インターより車で約四十分。東京・埼玉・千葉・神奈川から通う会員がいます。指導にあたるのは、今も現役で奉納に立つ射手たちです。

まずは見学だけでも構いません。稽古を見て、馬に触れて、それから決めていただければ十分です。

— 倭式騎馬會

未経験の方、お一人での参加、女性の方を歓迎しています。無理な勧誘は一切いたしません。

FAQ

よくある質問

Q.流鏑馬を習うには、まず何をすればいいですか?

まずは稽古の見学からです。流鏑馬を教えている流派・団体の多くは、入門の前に稽古を見ていただく段階を設けています。倭式騎馬會でも無料の見学を随時受け付けており、教場で稽古の様子をご覧いただき、馬に触れ、指導者に直接ご質問いただけます。

Q.乗馬も弓道も未経験ですが、習えますか?

はい、始められます。入門される方のほとんどが、乗馬・弓道ともに未経験からのスタートです。馬に慣れることから順を追って進みますので、いきなり馬を走らせることはありません。弓・馬具・安全装備はすべて会で用意しています。

Q.体験と入門は、何が違いますか?

体験は一日限りのご参加で、その日のうちに馬と弓に触れていただくものです。入門は、続けて稽古を積み、いずれ射手として奉納に立つことを目指すものです。習いたい・続けたいというお気持ちがあるなら、体験ではなく見学からお進みいただくほうが近道です。

Q.費用はどのくらいかかりますか?

見学は無料です。入門料・月会費など入門後の費用は、稽古・入門案内のページに掲載しています。稽古に必要な弓具・馬具は会で用意していますので、入門時にご自身で買いそろえていただく必要はありません。

Q.関東から通えますか?稽古の場所はどこですか?

教場は埼玉県比企郡滑川町にあります。関越自動車道・練馬インターより車で約四十分で、東京・埼玉・千葉・神奈川から通う会員がいます。稽古は土日祝が中心です。

Q.馬上から弓を引けるようになるまで、どのくらいかかりますか?

個人差はありますが、射手として奉納に立つまで、おおむね一年から数年を目安にしていただいています。稽古の頻度や上達のペースによって変わりますので、焦らずじっくり取り組んでいただけます。

Closing

流鏑馬は、習える武芸です

流鏑馬は、歴史の中だけにあるものでも、選ばれた人だけのものでもありません。馬に触れ、世話をし、弓を引く。その積み重ねの先に、馬上で的に向かう一瞬があります。

始まりは、いつも見学からです。稽古を見て、馬に触れて、それから考えていただければ十分です。

Take The First Step

まずは、その目で見てください。

馬が駆ける音。矢が放たれる一瞬。
写真では伝わらない空気が、そこにあります。

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