私たちの活動 ④文化発信・後進育成– 馬と触れ合うことから始めて、少しずつ騎馬術の世界へ。 経験がなくても大丈夫——ゼロから丁寧にお伝えします。 –

Activity IV  ・  Transmission

伝えなければ、ふたたび途絶える。

復元しても、稽古しても、伝えなければ消える。
私たちはふたつの「伝えること」を、地道に積み重ねてきた。

流鏑馬は、過去にも一度途絶えている。和種馬も、数を減らしてきた。倭式騎馬會は、その途絶えていた糸をいま一度たぐり寄せ、奉納の現場で行為として復活させ、稽古場で技として磨きなおしてきた。

ただ、それだけでは、ふたたび途絶える。文化は、誰かが見ている、誰かが書き残す、誰かが次に渡す ── そのいずれかが欠ければ、また消える。私たちは奉納と稽古の傍らで、ふたつの「伝えること」をいまも続けている。媒体に、記録を残すこと。次の手に、馬を渡すこと。

Prologue
A Second Training

復元と、伝承は、別の修練。

途絶えていたものを、もう一度立ち上げる ── これは「復元」の作業である。古文書をひもとき、馬を集め、装束を整え、所作を組み直す。倭式騎馬會が二十二年のあいだに重ねてきたのは、まず、この復元だった。

だが、復元したものをそのまま放置すれば、それはまた一代で途絶える。次の代に渡らなければ、博物館に並べられた所作のように、行為としては死んでしまう。だから、伝承は復元とはまったく別の、もうひとつの修練として、私たちのなかにある。

「外へ届ける」ことと「次に渡す」こと。前者は媒体を通じて広く社会に向かい、後者は教場のなかで一対一の関係として進む。方向は違うが、どちらも欠かせない。

Why We Transmit
続けるとは、渡すことでもある。

二十二年続けることだけが目的ではない。ここから先、私たちの世代を超えて続いていくために、いま、書き残し、次の手に技を伝えていく。それが、復元の次にある、もうひとつの修練である。

In Print & On Air
The Record

媒体に、残してきたこと。

会の内側で記録を蓄え、会の外側に向けて発信する。私たちは長く続く会報と、各種媒体への露出を通して、流鏑馬と和種馬と倭式馬術の姿を、社会の記憶に残し続けてきた。

The Bulletin
会報 ── 二十年以上にわたる、自前の記録。
282
発行号数
20年以上
継続期間
毎月
発行頻度

倭式騎馬會は、活動開始当初から会報を発行し続けている。奉納行事の記録、稽古の様子、馬たちの近況、研究の進捗 ── そうした日々の事象を文字にして残してきた。商業誌や新聞のように外部の編集眼を介さない、会員自身の手による一次資料である。賛助会員へはこの会報を定期的にお届けしており、会の外側にいる方々とも、文字を通じてつながる場となっている。

会報を会の内側の記録とすれば、外への発信は各種メディアを通じてなされてきた。テレビ・新聞・雑誌・教科書 ── 流鏑馬という伝統文化が広く社会に届くたびに、それは記録に変わり、次の世代の眼にも触れる素地となる。

2007通年
雑誌25ans(ヴァンサンカン)
会の活動と流鏑馬奉納を掲載。
2007三月
TVフジテレビ「馬と翔ける日」
会の流鏑馬・乗馬活動を取材・放映(毎週木曜21:54〜)。
2007五〜六月
TVNHK BS「WHAT’S ON JAPAN」
鹿島神宮および城南宮での流鏑馬奉納の様子が放映。
2011
TVテレビ東京「アド街ック天国」
佐野特集にて、唐沢山神社「秀郷まつり」の流鏑馬が紹介。
2011通年
教科書東京書籍版 中学校教科書
菊池寛『形』単元のページに、「秀郷まつり」の馬上槍武者の写真が掲載。翌年度より使用開始。
2012一〜二月
広報誌川越市広報誌
表紙および誌面に、河越流鏑馬・木曽馬「雅」らの写真が掲載。
2018一月
TVNHK 全国放送
嵐山流鏑馬の中継放送。観客動員一万人規模の演武が、全国に届けられた。
2019通年
映画映画「二宮金次郎」
騎馬シーンに出演・協力。
2023通年
TVNHK 連続テレビ小説「らんまん」
騎馬シーン出演および時代考証協力。
2025通年
TVNHK「明鏡止水」
出演および武道監修協力。
継続中
新聞各全国紙・地方紙
朝日新聞/読売新聞/日経新聞/埼玉新聞ほか、各地での奉納が継続的に記事として取り上げられている。
Open Doors
For the Next Hand

扉を、開いている。

媒体への発信が「外への伝達」だとすれば、もうひとつの伝承は、教場の内側で進む。次の射手は、いま、まだ私たちの目の前にはいない。これから来る誰かである。だから私たちは、扉を開けたままにしてきた。

倭式騎馬會の稽古は、流派にとらわれない。古来の和式馬術を再興する立場から、複数の流派の伝書と所作を研究し、横断的に学ぶことを許している。武家の血筋や免許は問わない。馬と武の道に向き合いたいという、その一点で扉は開かれる。

No. 01
流派を問わない

一流派を継承する道場ではなく、和式馬術の総体を再興する場としての教場。複数の伝書を研究材料として用い、流派の壁を超えて学ぶことができる。

No. 02
初心の門を、閉じない

馬に乗ったことがなくても、武に触れたことがなくても、入門の門は開かれている。最初は木馬で所作を学び、そののち会の保有する稽古馬での実乗へ進む。

No. 03
老若・男女を、選ばない

二十代から六十代まで、男女を問わず多様な会員が在籍する。女性射手の活躍も会を支える柱のひとつ。年齢でも性別でも、扉が閉じられることはない。

稽古は週末を中心に、埼玉県滑川町の教場で行われる。師範との面談を経て入門が許されたのちは、いつでも何度でも馬に乗ることができる。木馬での所作の習得を経て、最初の稽古から会保有の稽古馬に乗る。射手として独り立ちするまでには年月を要するが、その道のりは、誰にでも開かれている。

Our Pledge
武と馬に、まっすぐ向き合う者へ。
私たちは、持てるすべてを渡したい。
Join Us

あなたが、次の射手となる。

まずは見学から。一年を通じて稽古を見学できる枠を設けています。
賛助会員として遠くから支えていただく選択肢もあります。